eスポーツに企業参入する場合、どのようなメリットデメリットが存在するかを、実際に運営した内容も含めて残していきたいと思います。
どういった手順や、注意点があるかを確認しましょう。
eスポーツ企業参入の目的・目標の設定
事業を始めるときに、まず必要なのは目的です。
弊社では「広告宣伝塔」としての役割を中心に、スモールビジネスからスタートする形にしました。
eスポーツ事業参入において、ビジネスモデルにもよりますが広告宣伝としての役割がほとんどだと思います。
弊社eスポーツチーム、AFvGamingについてはこちらから▶
広告宣伝を含めた目的として出てくる例をいくつか上げていきます。
- 広告宣伝
- ブランディング
- 商品モデル
- 地域活性
- 一発逆転事業
IoT、ゲーム制作会社、アパレルなどであれば、eスポーツ事業に参入することに抵抗が少ないと思いますが、それ以外の事業が参入する際に「地域活性」などで入るのは穴場になりそうです。
弊社も考えていましたが、地域定着ビジネスに比べるとどうしても勝率が低いといった理由から避けています。
広告宣伝の目的
eスポーツ事業を始めた際に、企業としては「投資」の理由で広告宣伝であればある程度、色々な書類準備が楽です。
ミニマムで始めても、引き際が楽なのも広告宣伝目的である場合ですね。
余裕がある社員で、ゲームが好きな人がいれば簡単な参入は選択肢に含まれると思います。
ただし、後半で書くリスクについて、社内で対応できる有識者、法務がいる場合に限ります。
ブランディング
広告宣伝目的に近くなりますが、会社のカラーを表現するために、事業を始めることも考えられます。
「新しいものを取り入れる会社」
「柔軟性がある会社」
などの、ゲームを事業に取り入れられる、といった表現をして求人などで狙った層を獲得するために開始する事も可能ですね。
商品モデル
ゲーム、洋服ブランド、パソコンメーカーなど、自社商品とeスポーツが関係ある企業は、商品の実際の利用モデルとしてeスポーツ参入をする事も考えられます。
こちらについては、実際に運用している会社と協力するのと、イチから有名にしていくまでのコストのバランスが重要です。
多くの企業はすでに運営している企業との提携を考えますが、その点で差別化になる。と考えるかは商品の魅力次第かと思われます。
地域活性
eスポーツ事業を立ち上げる上で一番異端なスタイルだと思われますが、成功事例が上がれば全国に広がるポテンシャルもある方式だと言えます。
一時期騒がれ、今もなお進行中の「香川県のゲーム規制条例」もありますが、逆に徳島県の「eスポーツステージとくしま」のような地域も存在します。
他のスポーツと違い、ゲームタイトルなどで地域性や特産物と融合させた協議も作りやすく、さらに「ローカル」「リアル」である事を生かした、ライバルのいない土俵で戦い続ける状態を作り上げるのが良いでしょう。
一発逆転事業
文字通り、一発逆転を狙います。
具体的に金銭的な目処が立ちやすいのは、大会での優勝賞品です。
他にも、ゲーム会社主催の大会で有名になり、広告宣伝を行うことなども考えられるので、可能性は無限大ですが、リスクも無限大です。
eスポーツに企業参入するリスク
eスポーツを企業参入する場合のリスクは3つ挙げられます。
- 人件費設備等のコスト問題
- 法務や教育の人員が必要
- 一部の過激な反対派からのバッシング
人件費設備等のコスト問題
人的コストは当然ですが、パソコン・スマホ・ゲームのハードなど、タイトルによって異なる物資への投資が必要になります。
スポーツ事業参入なので、短期的に結果が出づらいのが大きな課題になります。
どんなに短くても最低半年、できれば3ヵ年計画を作って、途中で頓挫しないような金銭的体力があることが好ましいです。
費用についてはこちらで詳しくまとめていますので、参考にしてください。
eスポーツ事業の初期費用と維持費について。本気で始める場合の金額~ビジネスプランまで▶
法務や教育の人員が必要
法的な知識が無いと大きな損害になる可能性も
eスポーツでプレイヤーチームとして参加するのであればそこまで気にしなくてもよいのですが、大会運営を中心としたチームの場合、法的知識が絶対必要になります。
分かる人がいない場合は特に、賞金が出る場合など資金移動業などの資格が必要になる場合もありますので、予めデジタル産業に強い弁護士などに相談しておきましょう。
各法律に触れてしまった場合、金融庁にかかる問題などもあるため、大事になりかねません。
プレイヤーが全体的に若い
この点は、スポーツ全体で抱える問題ですが、eスポーツも例外なくプレイヤーは若い人が中心です。
未成年のプレイヤーも存在しますので、各種契約が大変です。
他にも、中途採用中心で行っている会社の場合は、新卒社員の教育のノウハウが無くかなり時間がかかってしまう可能性も。
新卒採用を中心で行っている会社でも、今までスポーツ事業を行っていなかった場合は、他の新卒社員とは違い実績を上げてもらう事が前提になるため、新しいカリキュラムなども用意する必要があります。
一部の過激な反対派からのバッシング
国会で、明らかに数字が高くなるゲーム依存症スクリーニング調査を行うなど、意図的にゲームに対する弾圧が強くなっている時期ではあります。
「ゲームで頭が悪くなる」なんて言われて育った世代が、国の行く末を担っているので当然の結果でしょうが、ゲームを嫌いになる人ほど馬鹿になるといった皮肉な状態だとは口が裂けても言えません。
他のスポーツや協議にも多少なりと侮蔑の視線がある時期もあったことから無視していいと考えています。
eスポーツはすでに国際競技でもありますし、気づけば弾圧の風潮が無くなっている、といった状態になっていそうですが、それまでの辛抱……と言うしかないですね。
ただ、この一部の過激な反対派が取引先にいる場合は、取引が無くなるなどのリスクになりそうです。
ちなみに弊社としては、そのような取引先の場合はいずれ関係が切れる上、トラブルの元でしかないと考えているためこの点はリスクとはあまり認識していません。
ゲーム好きじゃない人がやると過激じゃない人からのバッシングも
娯楽の側面が中心のゲームは、好きでない人がやると「守銭奴だ」なんだとバッシングを受けることがあります。
ある程度業界が煮詰まってくれば、好きでない人は参入出来なくなって来るでしょうが、今の段階で間違って入ってしまわないように気をつけましょう。
今の段階では既得権益のために参入する詐欺まがいの商法をする企業もいますので、場合によっては十把一絡げに叩かれて会社が沈む。
なんてことにならないように、気をつけましょう。
eスポーツの企業参入は結局アリ?ナシ?
結論から申し上げると、参入はアリです。
ただし、無理な参入はする必要はありません。
一人事業としてスタートするなど、やり方を考えていきたいといった場合は、弊社は一緒に考えていくことも出来ます。
プラン検討後、お気軽にお問い合わせください。
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